猿の浅知恵、墓穴を掘る

２０１２年、の立法委員／国会議員、選挙に比例代表から候補者を擁立する台湾の野党・台湾団結連盟／台連、のパーティーが７月１日夜に開かれた。李登輝・元総統／元大統領、が出席したほか、民主進歩党／民進党、の総統選挙候補者である蔡英文主席も駆けつけた。

台連は、総統選挙では最大野党・民進党の蔡英文候補を支持し、同日行われる立法委員選挙については、小選挙区では民進党候補を支持するが、比例代表では台連への投票を呼びかけている。比例代表では、台連が５％以上の得票率を獲得すれば議席が得られる。台連の支持者らは「蔡英文当選！李登輝がんばれ！台連得票率５％を超えよう！」のスローガンを連呼した。

http://www.stumbleupon.com/su/2Irz1A/www.youtube.com/watch%3Fv%3DYXnXMJpablw／参考動画、李登輝前台湾総統、日本外国特派員協会での記者会見 3of3

李登輝氏は６月３０日に台湾検察当局に汚職と資金洗浄の疑いで起訴されたが、これは７月１日に李氏と蔡氏が台連の同席して「棄馬保台／馬英九を棄て台湾を守る」をアピールして団結を強調するタイミングに合わせて仕掛けられたものだとみられている。７月１日の支那共産党創設９０周年に合わせてのご機嫌取りという見方もある。

馬英九は、今回の李登輝氏起訴に関して「司法の独立を尊重する」との立場を示し、介入を否認している。台連の黄昆輝主席は、馬英九政権が指名した黄世銘・検察総長が６月８日～１５日に訪中し、２週間後に李登輝氏が起訴されていると指摘し、支那の意向を受けての起訴ではないかと疑問を呈している。

起訴により李登輝元総統のイメージを落とすことで、李氏と蔡氏の分断をはかり、馬陣営／中国国民党、の選挙戦を有利に運ぼうとする意図が見え隠れする。１０年以上前の話を選挙半年前になり持ち出し、李氏を起訴したのは、選挙のためのわざとらしいネガティブキャンペーンで、台湾建国派への政治弾圧だと見る人も多い。「裁判所は国民党が開いている」「次は蔡英文氏を起訴するつもりではないか」などと、台湾人の司法や馬政権への不信はますます広がりつつある。

李登輝氏は、今回の起訴に関して、先に特捜部の発表した文章を読むことを勧め、特捜部の指摘には証拠がなく、「３人で口裏を合わせた」などというのは検察官の作り話だと反論した。

「絶対に打倒されない。台湾の主体性と民主の発展を守るため、これからも、言うべきことは言い続ける。９０歳の老人に死の怖れはないない。喩え私が死んでも、台湾には数千、数万の私の分身がいて、台湾の民主のために戦う」と語気を強めた。

台連のパーティーで李登輝氏と同席し、李氏との団結を再確認した蔡英文氏は、「検察は中立であるべきで、事件を恣意的に選別してはならない」と検察の不透明な動きを批判した。猿の浅知恵、馬英九は、墓穴を掘るであろう。