2011年7月2日

西田昌司「国会延長の目的は反原発解散だ」

こんにちは、参議院議員の西田昌司です。今日6月22日で、本来なら通常国会150日間の会期が終わり、閉会される予定でしたが、民主党内で紆余曲折があり昨日70日間会期を延長することが決まりました。これによって通常国会は8月31日まで続きます。

震災復興でやるべきことが山積していますから、会期を延長すること自体に問題はありませんが、彼らは一体何を審議するために延長したのでしょうか。その内容がはっきり示されていません。

幹事長会談では、50日の延長で合意がなされたようですが、一転して菅氏が70日にこだわり、会期を延長することになりました。一体、8月31日まで国会を開く狙いは何処にあるのでしょうか。

それは9月に選挙を行うことを狙っているからと考えられます。解散をすれば40日以内に選挙を行わなければなりませんが、8月上旬まで政権が持っていれば9月頭に選挙をすることができます。

8月6日、9日のいわゆる広島・長崎原爆記念日の式典に総理として参加をし、それから解散をし、反戦を誓うとともに反原発で原子力発電そのものを廃止していくと宣言をして、選挙をすれば、選挙に勝利できるという算段なのでしょう。

先日イタリアで行われた原発の是非を問う選挙では今般の原発事故で世論が大きく動いた結果、脱原発の方向に指針が決まりました。そのようなことを総合すれば、菅氏が自分の延命のためにこれを利用することは十分考えられるわけです。先日の両院議員総会の時には、「原子力の問題を収束したら、若い人に権限を移していく」と、自分の退陣を匂わせる発言をしていましたが、その時に菅氏が思っていたことは、どうすれば自分の総理生命を延命できるかの一点であり、目の前の不信任案は否決できたが、このままではいずれ辞めなくてはならないと葛藤していたのだと思います。

それと同時に自分が選挙を行い、過半数を取って政権を維持できれば、民主党にとっての功労者になれるとでも考えていたのではないでしょうか。

かつて、小泉元総理がいわゆる郵政選挙行った際、当初は無謀と言われていましたが、「私は殺されてもやるのだ」と仰って選挙に勝利しました。あれから6年が経ちますが、彼は同じことを考えているわけであります。そして奇しくもその郵政選挙の日が9月11日なのです。

今年も8月31日まで国会を延長すれば8月半ばに解散しても、9月11日に投票日を設定することができます。そして選挙のマニフェストとして反原発を訴えれば、今までの失点は全部チャラになり、選挙に勝つことが出来て、結果、その先4年間は政権を維持できるのだと、夢のようなことを考えているのでしょう。

私はこのシナリオ以外に会期を50日から70日に延ばした理由はないと思っています。この方の頭にあることは、自分の権力がこのまま維持されること以外に何もないわけです。こういった策略を私は直感的に感じました。

先程も申し上げましたが、今会期を延長したところで何を審議するのかと言えば、なにも議論する材料は用意できていないのです。第二次補正、第三次補正を通すと彼らは言い始めていますが、そもそも補正予算を組むにしても財源が必要です。我々が以前から申し上げていますように、子ども手当などのバラマキ4Kはどうするのか、その整理すらいまだに民主党の中では出来ていません。こういったことも全部整理して、予算を組むとなると、ひと月近くかかってしまいます。その間にいったい何を議論するのでしょうか。今国会で民主党が提案して衆議院で可決されたものは参議院でも審議に協力しましたから、今日まででほとんどの法案と予算が通っています。つまり今は議論すべき法案も予算もない状態なのです。そのような状態にもかかわらず、70日間も延長するというのはまさに菅氏が総理でいるためのパフォーマンスに他なりません。

ところがこういったことをマスコミ各社は全く報道しておりません。その為多くの国民に今の事態が伝わっていないし、むしろ震災復興をするのなら通年で国会を行うべきだという暴論が跋扈しているのです。もちろん審議する法案や予算があればどんどんやるべきですが、その内容を政府の方が提出してこなければ、審議のしようがないわけです。

その準備には時間がかかります。ですから国会というのは通常国会で150日間開会した後にいったん区切りを付けて、国会を閉じることによって整理をした後に、臨時国会でもう一度議論すべき予算なり法案は、8月ないし9月頃から仕切り直すのが、これまでの常識的な議会運営のあり方でした。

こういったことを無視して70日も延長すると仰っていますが、未だに提出する内容も見えない段階で、こういうことをやっていること自体が出鱈目だということを皆さん方に御理解いただきたいと思います。しかし、会期延長が決まった以上、私達は予算委員会の集中審議をまだまだ要求していきたいと思います。国政全般、また菅氏の政治姿勢など、これを機会に彼らが「本当に悪うございました」と音を上げるまで、この70日間徹底的に追及をしていきたいと思います。以上報告を終わらせていただきますが、今後ともご支援よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

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